病院案内

当院における新型コロナウィルス感染症収束のお知らせ

 令和3年6月28日をもって、最終の陽性者から2週間が経過し保健所の判断により、当院での新型コロナウィルス感染症の収束を宣言致します。先ずは患者様とそのご家族の皆様に、この度、多大なご心配とご迷惑をおかけした事を心より深くお詫び申し上げます。
 当院では札幌市内において新型コロナウィルス感染症が広がり、他の精神科病院での院内感染が問題となった令和2年3月以降より、職員の体調管理や体調不良者の出勤停止の徹底、体調がすぐれない患者様への電話診察による対応、救急患者様へはゾーニングによる交差感染の防止等に努めて参りました。精神科救急病棟を運営している当院の機能上、リスクも抱えながらできる限りの感染対策を講じておりましたが、一方では無症状で発症、または症状が出ないまま感染されている患者様や職員のウィルスの持ち込みは防ぎきれない状況にもありました。実際、今回は症状の無い病棟職員から、認知症治療病棟の入院患者様が感染しクラスターとなり、加えて他病棟においても感染経路不明のまま広がってしまいました。
 院内感染発覚後は直ちに、以前より準備していたコロナ専門エリアへ陽性患者様をご移動頂き隔離環境で対応を開始しましたが、その後も感染は拡大してしまいました。新型コロナ感染症の治療経験の豊富な先生には、院内感染が判明した時期から終息するまで約2カ月間、臨時でのご勤務をお願いしました。しかし、ベッドの逼迫によりコロナ専門病棟を持つ病院への転院はできず、残念ながら重症化してお亡くなりになられた患者様が出てしまいました。また、退院が近かった方の入院の延長や緊急入院が必要な受け入れも保健所の指示により滞り、本来の当院の役割を担えなかった責任を痛感しております。依然として新型コロナウィルスが蔓延している札幌市内の現状においては、以降も再び院内感染が生じるリスクは残ります。今後も職員共々、細心の注意を払いながら地域のニーズに応えて行きたいと考えておりますので、ご協力とご理解のほど宜しくお願い申し上げます。


理事長・院長 田尾大樹